1/1ページ目 「ソウルー!!!」 今日もやって来た あのうっとおしくも可愛らしい魔女が。 「お前また来たの?」 「うん、なんか暇だったから会いにきちゃった!」 そんな少女の目元は赤く腫れていた。 「……なぁ、マカっていったよな?何があってここに来てるのかは知らないけどいい加減やめてくんね?俺が疑われるだろーが」 嘘つき。 本当は後戻りできねーくらいに好きになりかけてる。 「大丈夫!ソウルには迷惑かけないようにするから!」 「あのなぁ、そーゆう問題じゃ…」 出会いは1週間前 パートナーのいない俺を哀れに思ったキッドんとこの主催パーティー(別名可哀想なソウルのパートナーを見つけてあげようパーティー)に呼ばれ、でも乗り気になれずバルコニーで外の空気にあたっていた。 するとものすごいスピードで頭上を通過する黒い物体。そしてどん、と鈍い衝突音。 後ろを振り向けば窓ガラスにぶつかりずるずると落ちてくる大きな黒い鳥…否、人。 「おいっ…大丈夫か」 「…………」 返事がない 肩を揺すったり叩いたりしてみるが反応がなくぐったりとしている。 「やべぇな…とりあえずキッドんとこに…」 俺が立ち上がろうとすると同時にうつ伏せになっていた人から「んん…」とくぐもった声が聞こえた。 急いで仰向けにさせるとそれは少女だった。髪はマロンテイストのツインテール、うっすらと開かれた瞳はエメラルドグリーン。黒い短めのワンピースから覗く白すぎる肌。 一目惚れだった。 少女の虚ろな瞳が揺れる。 そして自身の手をゆっくりと額に移動させ確認するように触りそれを目の前までもってくる。 少女の目が大きく開いた。 「きゃぁぁぁあ!」 どうやら自分の血に驚いている様子だった。 「ちょっと落ち着け!」 俺が少女を起こすと、抱き付かれわんわんと泣かれた 「ここどこぉ! プロテクトはまだ…あぁ大丈夫…うわぁぁぁん!」 よく見れば辺りに散乱したほうきに帽子…もしかしてこの女、 「あなたはだれ?」 「俺はソウル…お前は?」 「マカっていうの…」 ぐしぐしと鼻血をこする少女、マカ。 とりあえずパーティーを抜け出し自宅に連れて行き傷の手当てをする。 「どうしてデスシティーに?」 「それは…」 「言いたくないんなら別に無理しなくていいけど」 おでこに大きめの絆創膏を貼り、マカの背中をぽんと叩く。 「ほら、手当て終わり」 するとマカはもじもじしながら上目遣いに礼を言った。 「…あの、ありがとう」 「ああ。」 別れの時がやって来た。もう二度と会えないのかと思うと胸がぎゅっと締め付けられる。 「ほら、行けよ」 するとマカはほうきにまたがり、一言叫んだ。 「私、魔女なのに、こんなによくしてくれてありがとう! またいつか会いたいな!」 「二度と来んなよ!」 ―――――――――― それから3日が経ったある日、自室の窓から部屋にコンコンと響くノック音。 それから毎日やってくるようになった魔女の少女。 「これが、魔女の恩がえ…」 「意味分かんねぇー」 うっとおしくも愛しい少女。 ソウルに会いたかったから、と涙目で訴えられるものだから無理矢理腕をひっぱりほうきから自分の胸へとダイブさせると時がスローモーションのようにゆっくりと長く感じる。 「マカ、本当は会いたかった」 と耳もとで低く囁けばマカは「私もだよ」と甘ったるい声で俺の脳内を洗脳する。 きっと今の俺の脳みその状態をレントゲン写真で撮ったならばトロトロに溶けているのだろうと思うくらいマカで蝕まれている。 俺は魔女に恋をしてしまった。 end. [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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