魂喰

†春心地
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3月も半ばに入り、雲の切れ間から太陽も忙しく顔を覗かせ日射しがさんさんと降り注ぐ心地の良い春の午前中



私が普段より早くリビングのソファに腰掛けて本を読んでいると、ソウルが今起きましたと言わんばかりに酷く寝癖のついた髪をかき上げながらリビングにやってきた。


「おはよ、マカ。今日は早ぇのな」

ソウルはひとつあくびをすると大きく背伸びした。

「おはよ」
「休日くらいゆっくり寝ねぇの?」
「今日はたまたま。」

窓からの暖かい木漏れ日になんだか心がほわほわしてくる。

「春、って かんじだな」
「ねー。そよそよしててすっごく気持ちいいし…」



あ、いい名案思い付いた。



「そうだ!みんなでピクニック行こう!」


「…つーことで俺はお休み」

ソウルが自室へ帰ろうとしたので服の裾を引っ張る。

「なんで!」
「だってせっかくの休日なのに面倒くせーじゃん」
「面倒くさくない!ね、行こ?」


するとソウルが観念したのか私の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「やっぱお前には勝てねーや、
お姫様」
「それどうゆー意味」





それから私達はキッドやブラック☆スターたちを誘ってデスシティの外れにある草原へと出掛けた。












「お姉ちゃんみてみてお花がいっぱーい!」

「うっひょー!腹へったー!早くメシ食っちまおうぜ☆」
「ごめんねマカちゃん、あの子朝ごはん抜いてたみたいで」
「ブラック☆スターが食い意地張ってんのはいつものことだし」

椿ちゃんと二人でクスクス笑っていると誰かにぽんと肩を叩かれた。

「マカ、今日は誘ってくれてありがとう」
「いえいえ。キッドこそ
忙しくなかった?」

するとブラック☆スターが私達の間に割り込んできた。
「おいマカ、ちょっと来いよ」

そのまま手を取られ引かれるがままに進んでいると大きな切り株の前に到着した。

「なぁこれさ…似てね?」
株から枝が生えておりその先端は丸く、つんと上向きに反りながら伸びている。年輪は中心が黒く生き物の目の様にも見える。このウゼェ形はまるで、
「エクスカ…」
「それ以上言うなーっ」

後から来たキッドも口に手を当て、心底嫌そうな顔をしながら「虫酸が走る」と呻いた。




「でもちょうどいいや、ここでお弁当広げよ」
「おいちょっと待て!」
「マカ正気か!?」


お弁当という言葉を聴いてパティがこちらへ駆けてきた。
「キャハハハなんだこりー!!
えいっ!」

ボキッ

パティが勢いよくその枝を折った。

「…奴の鼻(?)が折れた……」










それから私達はシートを広げその上に荷物を下ろした。





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