魂喰

†真夏の夜と春の絵本
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風呂から上がり、マカを驚かせようと考え背後にまわる。マカはテレビの方に顔を向けたまま硬直している。体をを強張らせ微動打にしない。よほど怖いのだろう

やっぱり驚かせたら場合によっては嫌われそうだな
パパの馬鹿!もう家帰る!
なんて言われたら引き留めるの大変そうだし…

考えを改めた俺は、新たに優しく安心させパパという存在を再認識させる計画を実行することにした

「マジ怖どう?」

そう声をかけ隣に腰を下ろす。だが全くこちらを見てくれない


「マカ?」



肩に手を置く。するとビクリと反応しこちらを振り向いた




「……パパのえっち」



え!?

何故、肩に触れただけなのにえっち呼ばわりされなければならないのだろう

なによりその瞳は潤み、風呂上りのせいか頬がほんのりと朱を帯びていてなんとも悩ましい。俺を睨み上げているのだろうがこれは返って逆効果だ

「え!なんで!?」

思わず空いてる方の手で手首を掴むとマカは身を捩って必死に振りほどこうともがく

「やだ…っ!パパの馬鹿!離してよっ」

「なんで!?パパが何かした!?」

「そんなの自分で考えてよ!」

「そんなこと言われても、思い当たる節は…」

マカが真っ赤な顔で一点を見つめているのに気付きその視線を追うと、そこには。

「……………」

「信じらんない…」

「これは、その、そう!マカに似合う水着はないかな〜と思って買ってみた雑誌で、」

「…嘘つき。だって、中…」

「中見たの!?」




そう。水着のお姉さんがあられもない姿になって足を開いていたり、たわわになっていたりする
春の絵本





古風に言うと春画
現代風に言えばエロ本




「ギャ――――――――ッ!!!!!」

「私が叫びたいくらいなんだけど!もう知らない!帰る!パパは綺麗なお姉さんとそーゆーことしたいからそんな本読んでるんでしょ!だったら今すぐキャバクラでも何処にでも行けば!?」

「違うんだ!これは誤解なんだよ!ソウルの奴が、どうしても欲しいから俺の代わりに買えって頼まれたんだよ」

「どうしてそう易々と有り得ない嘘が付けるの?…ちょっ…やだぁっ!離して、帰るって言ってるじゃない!」


「えっと!これは死神様から直々に………」









一番怖いのはお化けよりもマカだ、と心の中で叫んだ

こうして真夏の夜は更けるのでした






END
――――――――

お粗末様でした
24000を踏んで下さったアキラ様に捧げます

本当はもっと甘くしたかったのですが如何わしい雰囲気が漂い始めたので途中でギャグに走りましたすみません


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