龍龍
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†妄想シリーズ
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   妄想少女











「はぁ…たつまちーん………」










真神學園

校舎の屋上



手摺に肘をつき溜め息を漏らす少女。



身長はだいたい140p前後くらいだろうか、制服を着ていないことからこの學園の生徒ではないことが伺える。

幼さを残す風貌、
彼女は可愛い女の子、と一般的には表現できる。

そう、一般的には。





彼女は能力者でありその力を使う瞬間の顔は恐ろしく、普段の見た目からしてまず想像はできないだろう。



まぁ普通に見れば、目は大きくくりくりしていて髪は蜂蜜を垂らしたような金色。頬はほんのり桃色。いつも猫を抱いている。まるで妹にでもしたくなるような少女だ。



だがその少女の表情は


今にも泣いてしまいそうだった。







「この愛は止まらない……

…あぁたつまちんっ!
なんで私を早くお嫁さんにしてくれないのーっ」




待ちきれないよぅ、と。


毎回放課後を狙って龍麻のいる所に出向いて(ストーカーして)はラーメンに苺牛乳を投入したりして龍麻を困らせ、京一をキレさせるのだ。







つい一昨日も苺牛乳で炊いた米をおにぎりにして龍麻に届けたところ、京一に怒鳴られた。



「テメェ龍麻を
おちょくってんのかァ!」



「なにいってんのよ
単細胞の野蛮人!

私はたつまちんがお腹空いてるだろうな〜と思って作ってきたんじゃない!

お前こそたつまちんを
毎日毎日おちょくってるんじゃないの!?」



「あぁ!?俺はな、忙しいんでな。だいたいストーカー女に構ってる暇ねぇんだよ」


「ムキ―――!!
いっつもいっつもたつまちんにくっついてる癖に!」


「つーか普通米を苺牛乳で
炊くかよ!!」






「アハハ」

龍麻は京一の隣で笑う。






その後も言い争いは続き、午後の授業が始まる前に葵に中断され終了したのだった。















「あんな野蛮人と一瞬にいたらたつま様が辛いだけだよね…


…そうだ!

早い話私とたつま様がさっさと結婚しちゃえばいいのよ!」




ふふふ、と笑う。


「そうすればクレアとたつま様が幸せになれるもん♪


そしたらまずはー…
やっぱまずは二人が住む家よね」




彼女の脳内が妄想に走り出す。こうなったら誰も止められないだろう。


頬が徐々に赤に染まる。




「建てるなら…海が見える丘の上の白いお家がいいなぁ…大きな犬を買うの!

そこでたつま様と愛の溢れた家庭を築くの!!」







クレアさん、ヨダレたれてます。


「んふふふふ








お帰りなさい、龍麻…



ご飯にする?お風呂にする?それとも…わ・た・し?



キャー!私ったら何言ってんの恥ずかしー!!」




ばんばん、とフェンスをひたすら殴る。



熱くなった彼女の腕はフェンスをどろどろと溶かしていた。



「やっぱ大胆に行かないとね!


待ってね、




たつまちーん!!!!!!!」








end.
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