婆裟羅
.*゚.
†傷付けないようにそっと
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.*゚.











…呼んでる







………あの方が私を?








…………………。





あっ






「待って下さい!!!」








ぜえぜえと荒い息が聴こえる
額から汗が伝っていくのが分かる。



(…あれは夢?)







自分の叫び声で目が覚めたらしい






ツンと鼻を突く鉄の臭い。






身体を起こそうとすると肩やら太ももに鋭い痛みが走る。


「痛ッつつ…」





ここは…戦場…

無理に身体を起こす。
よろめきながらも足を地に
固定する。





(そうだ、私はあの時…)


敵の攻撃をモロに頭にくらいそのまま気を失ってしまっていたのだ。


本来ならその状態から攻撃を浴び続け死んでいてもおかしくないはずなのに



私は確かに生きている。



痛む頭を押さえると指にぬるぬるとした液体が絡み付く。



「流石にかなり痛いです」


すると突然誰かに頭をなでられた。



「だっ誰ですか…って貴方は…!」





彼だった。


私が最も求めていた相手。

だけどその全身はボロボロで鎧は壊れ身体は所々血を流していた。



「どうしてこんな…」


……!



何故
突然現れた彼は私よりも傷だらけなのか






「もしかして…私を助けてくれたんですか?」



やはり彼は何も言わない。だが代わりに頷く。







涙が溢れてくる。
守ってもらえた嬉しさと自分の代わりに傷を負わせてしまった悔しさ。入り交じった感情はすでにコントロールを失っていた。


独り言のように呟く



「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」




そして私は彼の胸を借りて泣き声をあげた。



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