long

換骨奪胎5
1/2ページ目


いたるところにある切り傷や黒いかさぶた。傷だらけの身体だなぁなんて思いながら暇を持て余す。
私の場合嫌われてるから傷付けられてるんじゃないからな

(こーいうのって…狂愛っていうのかな)
いや、そもそも愛なんて無いか


いつからこうなったんだっけ
靄のかかった曖昧な記憶を辿ろうとした時、阿修羅に「おい」と呼ばれた

傷のある箇所に包帯が巻かれていく。

「どういう風の吹き回し?」
阿修羅は私の問いに答えることなくぽつりと言った
「デスシティに行く」

確かにこの傷は人目につくし目立つもんね…ってええ!?

「私も連れてってくれるの…?」

「俺が留守にしている間に逃げられては困るからな」

「逃げないよ!」

(でも、これでやっとソウルに会える!)
嬉しさのあまり阿修羅に飛びつく

「ありがとう!!!」

阿修羅はぽかんとした表情だった
「そんなに嬉しかったのか?」
「うん!」

するとむりやり引き剥がされた
「離れろ…」

あれ…ほんのり頬が赤い
(かわいい…)
あれ、今私なんて?
どうしよう。すっごくドキドキしてる。何コレ!


「さて、着替えるか」

私の心の異常を知りもせず阿修羅はマフラーを緩め始めた

「え!?ここで!?」

「そうだが」

「私がいるのに!?私、一応女だから気を使…」



「厚着しなければ!!」

見るも止まらぬ早さで部屋中をマフラーが飛び交う

「ぎゃー!ストップ!その格好は目立つから!厚着は駄目!」



「私がずっと側にいてあげるから、ね?」

「嘘を言うなァァァ!俺を騙すつもりだな!」

「そんなことするか!
いいから私を頼れ!」

すると阿修羅の動きがぴたりと止まった

「頼れ…なんて初めて言われた」
その姿はまるで幼い
どうしていいのか分からないのだろう

「阿修羅は何もかもが怖いから防備を固めるんでしょ?安心感が欲しいからそんなに厚着してしまうんだよね?」




阿修羅は叫んだ

「知ったような口をきくな!!!」


顔を耳たぶまで真っ赤にして

「…………大体当たってるけど…」




「なら私が阿修羅の安心感の代わりに、なれない?」

「何故貴様はそんなに俺に構う」

「だって阿修羅って放って置いたら、どんどん壊れていっちゃいそうで心配なんだもん」



鬼神はうろたえる

「…俺は全てを信じない。安心感だかなんだか知らないが勝手にしろ」

私に背を向け阿修羅は歩き出した

「俺が最初に貴様に言った言葉を覚えているか?」

(私の阿修羅に関する記憶を消して、利用するってやつか)
私はうんと頷く。

「貴様が俺に尽くすというのならその必要性はないようだな」

これって少し仲良くなれたってことなのかな
阿修羅は1つずつ挙げた。
二人のデスシティに行く理由は異なること
二人が会っているところを、例えアリにだろうと見られてはならない
1日10回は必ず会うこと…つまり私は家に帰れるってことだよね

「10回って、そんなに私に会いたいの?」

「貴様が裏切らないか監視するためだ」

「それ私が裏切ること前提じゃん。せめて5回に」


.
[指定ページを開く]

次n→ 

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ