テネシー・ウィリアムズ（Tennessee Williams 1911年3月26日生）［アメリカ・劇作家］
ミシシッピ州コロンバス生まれ。ウィリアムズの家庭には問題が多かった。彼の姉ローズは恐らく彼に対する最も大きな影響を与えた。彼女は精神障害で精神病院の中で生涯のほとんどを過ごし、両親は結局彼女に対するロボトミー手術を許可した。ウィリアムズはこのことで両親を許さなかった。彼の作品の登場人物はしばしば家族に対する直接の抗議であると見られる。『ガラスの動物園』のローラ・ウィングフィールドは姉のローズ、アマンダ・ウィングフィールドは、彼の母親がモデルであるとされる。また『去年の夏突然に』のセバスチャン、『ガラスの動物園』のトム・ウィングフィールドを含めて、彼のキャラクターの多くは自叙伝的である。
1948年には、南部の没落農園の娘が教養と欲情の板挟みのために精神が崩壊していく過程を描いた『欲望という名の電車』で、1955年には、遺産相続をめぐる家族間の醜い駆け引きをもとに執念と執念のぶつかり合う強烈な戦いぶりを描いた『熱いトタン屋根の猫』でピューリツァー賞を受賞している。
彼はゲイだったことで知られている。秘書のフランク・マーロとの関係は、出会った1947年から1963年の癌によるマーロの死まで続いた。1979年の1月に、ゲイバッシングの犠牲者としてフロリダ州キー・ウェストで5人の10代の少年によって殴打されたことがあった。
ウィリアムズは1983年、ニューヨークのホテルでボトル・キャップ（もしくは目薬か点鼻薬のキャップ）を喉に詰まらせ窒息死した。フランクを失ったあとのウィリアムズは寂しさから酒やドラッグに溺れる日々を送っていた。事故当時も酒を飲み、酔ってボトル瓶ごと喉に突っ込んだため、キャップが喉にはまってしまったとみられる。自殺だったとも言われている。しかし、彼の兄弟デーキン・ウィリアムズなど幾人かはそれが殺害だと信じている。
1983年2月25日死去(享年71)
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