ヤロスラヴリ旅客機墜落事故



ヤロスラヴリ旅客機墜落事故(2011年9月7日発生)
 [ロシア連邦ヤロスラヴリ州のトゥノシュナ空港付近にてYak-42D旅客機が墜落し、この航空機に搭乗していたロシアのプロアイスホッケーチーム『ロコモティフ・ヤロスラヴリ』所属選手やスタッフなど44人が死亡した。]


 事故機のYak-42Dはロシア、モスクワに拠点を置くチャーター専門会社であるヤク・サービスが運行していた。事故機はプロアイスホッケーチーム「ロコモティフ・ヤロスラヴリ」がミンスク・アリーナで行われる予定であった「HCディナモ・ミンスク」とのKHL開幕戦の遠征にチャーターしたものだった。

 事故当日、9月7日のトゥノシナ空港の天候は良好であった。風向360°から11km/h。視程11km。層積雲があり、その下限990m、気温17.8℃であった。ヤク・サービスのYak-42Dは滑走路05/23を誘導路5から進入し後方に300m(980ft)残した地点から離陸滑走を始めている。滑走路全長は3000mであり、2700mの地点からの離陸滑走となる。事故機はトゥノシナ空港滑走路05を離陸滑走し、230km/hまで加速するが離陸に失敗し、滑走路末端からおよそ450メートル先にある進入灯に接触した。事故機は飛行高度に達しておらず、地表から6メートル(20ft)であった」ことなどが明らかになっている。接触後、滑走路末端から約1キロの地点であるヴォルガ川合流地点から200メートル手前のトゥノシナ川川岸へと墜落した。墜落の衝撃により尾翼部と胴体部分に分解し、尾部は川へ胴体は対岸の陸地へと飛散した。事故の目撃者によると事故機は障害物に接触後、炎に包まれたと説明しており、墜落地点が離陸方向と異なるのは接触により左に旋回しながら地面に激突したためとしている。また別の目撃者は墜落寸前にエンジンが静かであったと証言している。その他墜落前に機体が2つに分解したなどの報告などもされている。なお乗組員は管制官に対し何らかの問題が発生したとの連絡は一切行っていない。

 この事故により選手やコーチなどスタッフを含む37名と乗員7名が死亡、選手であるアレクサンドル・ガリモフと乗員である航空機関士のアレクサンドル・シーゾフの2名が救助された。目撃証言によると生存者2名は救出時に激しく燃えていたが、意識があったことが証言されている。2名は治療のためモスクワに緊急搬送され、急性ストレス障害を避けるため医学的に昏睡状態に置かれた。しかし、9月12日朝にガリモフが搬送先であるヴィシネフスキー外科研究所にて死亡。同日シーゾフは危篤状態を回避したと考えられ、集中治療室から一般病棟に移され、その後退院した。亡くなった選手の中には2010年アイスホッケー世界選手権優勝メンバーのチェコ選手、2006年アイスホッケー世界選手権、トリノオリンピック優勝メンバーのスウェーデンのステファン・リヴ、2006年のスタンレー・カップ優勝メンバーを含むNHLでのプレー経験のある選手などが含まれていた。

 国際アイスホッケー連盟会長であるルネ・ファゼルは『我々のスポーツ史の中で最も暗い日』とコメントし、この事故によりロコモティフ・ヤロスラヴリはKHLリーグ2011〜2012シーズンの参加取り消しを表明した。

 ヤク・サービスは2009年、安全面などが不安視され欧州委員会に調査されており、この調査によってロシア政府当局はヤク・サービスに対する運行制限を課し、国際的な検査基準に合格するよう指示していた。翌2010年5月18日、ヤク・サービスは安全管理体制に問題があるとして、ロシア運輸省から欧州空域の飛行禁止を命じられ、同年8月11日に当局によって解除された。そして、それから1年後にこの事故を起こすこととなった。2011年11月2日、州際航空委員会が事故原因は「パイロットが足元にあるブレーキペダルの操作を誤ったことが直接の原因」という結論に達した事を発表している。事故機のパイロットは、Yak-42Dの操縦経験に乏しかったという。


【犠牲者】
選手
 ◇ビタリ・アニケヤンコ(24歳 ロシア/ウクライナ ディフェンス)
 ◇ミハイル・バランジン(31歳 ロシア ディフェンス)
 ◇ゲンナジー・チュリロフ(24歳 ロシア センター)
 ◇パボル・デミトラ(36歳 スロバキア センター)
 ◇ロベルト・ディートリッヒ(25歳 ドイツ ディフェンス)
 ◇アレクサンドル・ガリモフ(26歳 ロシア 左ウィンガー)
 ◇マラト・カリムリン(23歳 ロシア ディフェンス)
 ◇アレクサンドル・カラーニン(23歳 ロシア 右ウィンガー)
 ◇アンドレイ・キルキン(24歳 ロシア 右ウィンガー)
 ◇ニキータ・キュルキン(21歳 ロシア センター)
 ◇ステファン・リヴ(30歳 スウェーデン ゴールテンダー)
 ◇ヤン・マレク(31歳 チェコ センター)
 ◇セルゲイ・オスタプチュク(21歳 ベラルーシ 左ウィンガー)
 ◇カレル・ラチュネック(32歳 チェコ ディフェンス)
 ◇ルスラン・サレイ(36歳 ベラルーシ ディフェンス)
 ◇マキシム・シュヴァーロフ(18歳 ロシア ディフェンス)
 ◇カールリス・スクラスティンス(37歳 ラトビア ディフェンス)
 ◇パベル・スヌリニスン(19歳 ロシア フォワード)
 ◇ダニイル・ソブチェンコ(20歳 ロシア ウクライナ センター)
 ◇イヴァン・トカチェンコ(31歳 ロシア 左ウィンガー)
 ◇パベル・トラハーノフ(33歳 ロシア ディフェンス)
 ◇ユーリ・ウリチェフ(20歳 ロシア ディフェンス)
 ◇ヨーゼフ・バシチェック(30歳 チェコ センター)
 ◇アレクサンドル・バイショノフ(23歳 ロシア 左ウィンガー)
 ◇アレクサンドル・ビウキン(38歳 ロシア/ウクライナ ゴールテンダー)
 ◇アルチョム・イヤルチョク(21歳 ロシア 左ウィンガー)

チームスタッフ
 ◇ブラッド・マックリモン(52歳 カナダ ヘッドコーチ)
 ◇アレクサンドル・カルポーツォフ(41歳 ロシア アシスタントコーチ)
 ◇イゴール・カロイエフ(41歳 ロシア/カナダ アシスタントコーチ)
 ◇Yuri Bakhvalov(内科医/マッサージ心理療法士)
 ◇Aleksandr Belyaev(用具係/マッサージ心理療法士)
 ◇Nikolai Krivonosov(31歳 ベラルーシ フィットネスコーチ)
 ◇Yevgeni Kunnov(マッサージ心理療法士)
 ◇Vyacheslav Kuznetsov(ロシア マッサージ心理療法士)
 ◇Vladimir Piskunov 52歳 ロシア 管理者)
 ◇Yevgeni Sidorov(ロシア コーチアナリスト)
 ◇Andrei Zimin(チームドクター)

乗員
 ◇Andrei Solomentsev(機長)
 ◇Igor Zhivelov(副操縦士)
 ◇Sergei Zhuravlev(副操縦士)
 ◇アレクサンドル・シーゾフ(航空機関士、乗客乗員で唯一の生存者)
 ◇Nadezhda Maksumova(客室乗務員)
 ◇Vladimir Matyushin(客室乗務員)
 ◇Elena Sarmatova(客室乗務員)
 ◇Elena Shavina(客室乗務員)


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