リヴィウ航空ショー墜落事故



 リヴィウ航空ショー墜落事故とは、2002年7月27日、ウクライナのリヴィウにあるスクヌィーリウ空軍基地(リヴィウ国際空港)で行われていたウクライナ空軍の航空ショーで発生した墜落事故である。死者85人、負傷者100名以上を記録し、航空ショーによる事故としては1988年にドイツのラムシュタイン基地で発生したフレッチェ・トリコローリの空中衝突事故(死者75名)を上回る世界最悪の大惨事となった。


 2002年7月27日、この日、ウクライナのリヴィウにあるスクヌィーリウ空軍基地で、ウクライナ空軍第14師団創設60周年記念の航空ショーが行われており、その航空ショーの演技飛行のプログラムであるウクライナ空軍所属のSu-27UBによる曲技飛行が行われていた。ウクライナ空軍の展示飛行チーム「ウクライィーンスィキ・ソーコルィ」所属の2名のパイロットが搭乗しており、観客席付近を低高度で急上昇し左旋回していた。ところが、旋回中に突如としてエンジンが停止、推力を失った機体は左へローリングし始める。この状況を回復しようとパイロットはローリング後上昇しようとさせたが、推力が不足して迎角の状態になり制御不能に陥り、さらに左に傾いてしまった所で左翼が駐機中のIl-76輸送機の前面に接触してしまい、そのまま観客エリアとなっていた駐機場に墜落し爆発炎上した。

 墜落現場はバラバラになった死体等が散乱し、凄惨を極めた。結局この事故で観客84名が即死し、1名が病院で死亡、100名以上が負傷すると言う航空ショー史上最悪の惨事となってしまった。なお、搭乗していた2名は墜落直前に脱出しており、皮肉にもSu-27に搭載されていたズヴェスタK-36射出座席の性能の高さを示した例となった。

 墜落の直接の原因は、整備不良及び操縦ミスである。当時のウクライィーンスィキ・ソーコルィでは、燃料の不足により訓練等に困難が生じていた事もあり、リハーサルを行わないまま曲技飛行を行っていた。加えて観客エリアを前もって飛行コースから離していなかった事もあり、今回の大惨事を招いてしまった、所謂ヒューマンエラーが重なって発生した事故と言える。

 結局当時の大統領レオニード・クチマが軍を糾弾し、空軍総司令官を解任、パイロット2名及び軍関係者3名が逮捕され、操縦士に懲役14年及び720万フリヴニャ(アメリカ合衆国ドル換算で約142万ドル)の賠償金、副操縦士に懲役8年と250万フリヴニャの賠償金が課せられ、軍関係者2名も、それぞれ6年と4年の懲役を科せられている。もう1名のトレーナーについては、証拠不十分として無罪とされた。

 当該事故の後、ウクライィーンスィキ・ソーコルィは2009年8月の活動再開まで活動を休止せざるを得ない状況となってしまった。なお、その2009年にはMAKSに向けて訓練していたルースキエ・ヴィーチャズィのSu-27が空中で接触し、1名が死亡している。


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