【泣かせた。】 間違いに気がついたのは、君の声に混じる噛み殺した嗚咽を聞いたとき。 堰を切ったように溢れ出る涙と震える声は、僕のさっきまでの怒りを沈めるには充分過ぎてむしろお釣りが返ってくるほどで 鼻をすすって揺れた小さな肩の細かな動きが感じられるくらい近くにいるのに もう君に手はとどかない。 最後のチャンスだったのに それも僕のたったの一言で霧と消えた。 『ごめんな、俺が悪かった』 って一言言える正直で卑怯な自分。 そんな自分になれたらよかったのに。 『ばいばい…』 しか言えなかった そんな嘘つきで賢い自分が嫌いだ。 今の君との距離は3歩と半分。 その3歩と半分との距離には 見えなくても確かに分厚い壁ができていた。 『ごめんな、ばいばい。』 少しずつ、君のすすり泣きは聞こえなくなっていった。 [感想を書く] [最新順][古い順] 感想はありません <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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